インプラントはチタン製でとても丈夫で生体親和性が良いので、何か問題が起こらなければ半永久的にお口の中で機能します。しかし、はみがきが十分にできないでインプラントの周りに歯垢がついた状態にしていると天然歯と同様、歯槽膿漏のような状態になり、インプラントの周りの骨がやせてグラグラ動いてしまいます。インプラントを長持ちさせるためには、毎日しっかりとはみがきし、必ず定期検診を受けてチェックと指導をしてもらわなければなりません。
歯周病が進行している場合や身体が健康でない場合、インプラントはできないこともありますので、歯科医師と充分に話し合うことです。また、顎の骨の状態によってはできない場合もあります。
入れ歯が粘膜に支えられるのに対して、インプラントは顎の骨に支えられます。このため入れ歯につきものの大きなプラスチックや金具が不要でガタつきもありません。ですから、入れ歯よりもしっかり噛めるようになり、見た目も美しくなります。
自然の歯とまったく同じ、と言うわけにはいきませんが、自然に近い状態に復元することができます。特に、入れ歯で問題になる「落ちる」「噛めない」「味が分からない」などの問題点は、インプラントの場合はるかに自然に近い状態になります。
一般的に、顎の骨に入れたインプラントが周りの骨と結合するのに、使ったインプラントと人にもよりますが、6~24週間かかります。その後、上に歯を入れるための期間がかかる場合とすぐに入れることができる場合があります。ITIインプラントの場合はインプラント手術の後、数週間で上の歯まで入れることができます。(顎骨の状態など、様々な条件が良好な場合に限ります。)
抜けた歯一本に対して必ずしも1本のインプラントを入れる必要はありません。また、インプラントで維持させる床のついた義歯を入れる場合は少ない数のインプラントで大丈夫です。
入れ歯をお使いだった方は入れ歯の内面を調整して、インプラントが機能するまでお使いいただけます。また、見た目に問題のある部位は周囲の歯を利用して仮歯をいれますので、日常生活には支障ありません。
成功率を分析するために複数の病院で1003人の患者さんに計2359本のインプラントを入れ、8年間に渡って追跡調査した文献報告では、95%以上がまったく何の問題もなく機能し続けております。
インプラント治療は自由(自費)診療ですので診察を含め、保険はききません。使用するインプラントの本数や種類、上に装着する人工歯の種類、症例の難易度によって費用は異なります。事前によく相談して下さい。
手術の種類、インプラントの本数にもよりますが、手術のとき、局部麻酔をかけますのでほとんど痛みは伴いません。イメージとしては歯を抜く手術に近いでしょう。
1~2日の腫れている間は食事がしづらくなります。また、感染しやすい期間でもあります。食事はかたいものを避け、ジュースやスープなどの流動食や栄養バランスに優れたベビーフードなどを摂って下さい。当日あるいは翌日くらいまでは多少出血が続きますが強くうがいはしないで下さい。また、大きく口をあけたり、笑ったりするのも避けて下さい。薬は指示通りにきちんと服用して下さい。はみがきは手術当日はやめ、その後は先生の指示に従って下さい。
治療後の手入れが重要です。日々の御自分でのケアと歯科医院での定期検診によるメインテナンスが重要となります。